文字列の集合を表記する方法の一つである正規表現は,理論計算機科学の重要な基礎であると同時に,実用的なプログラミングにおいても,文字列検査や検索における必須のツールとして広く使われています.とはいえ,大学の形式言語理論の講義で習うような綺麗に整った正規表現・オートマトン等の理論と,様々な拡張を施されたある種泥臭い現実のプログラミング言語の機能としての正規表現とは,どこか隔たりがあるように感じている方も多いのではないでしょうか.
本サマースクールでは,2名の講師をお招きして,後方参照などの拡張や,バックトラックにより実装された正規表現エンジンの計算時間の問題,文字列抽出の扱いなど,正規表現にまつわる発展的な問題について,どのような研究がなされているのか,ご講演いただきます.
受講にあたっては,形式言語とオートマトンなど,学部レベルのコンピュータサイエンスの知識を習得していることが推奨されます.
NTT社会情報研究所・研究員.2023年早稲田大学博士後期課程修了.形式言語・オートマトン理論の技術の実世界への応用に関する研究に従事.
東京工業大学情報理工学院数理・計算科学系教授.博士(理学).ソフトウェア検証,プログラミング言語,形式言語理論に興味を持つ.
9:30 - 9:35 | オープニング |
9:35 - 10:35 | 正規表現とその拡張について(講師:千田) |
10:35 - 10:45 | 休憩 |
10:45 - 11:45 | 正規表現のDoS脆弱性(ReDoS)とその検査技術(講師:南出) |
11:45 - 11:55 | 休憩 |
11:55 - 12:55 | 例を用いた正規表現の自動修正技術(講師:千田) |
PPLサマースクールの参加費は以下の通りです.
参加申し込みに関する情報は後日掲載します。
PPLサマースクール2023 幹事
稲葉 一浩(Google)
E-mail: kinaba[at]google.com